家族療法

ジェノグラム ② 解釈

ジェノグラムについての説明と作成方法を説明したので、今回は解釈方法について書きたいと思います。

家族構成

これは、同居している家族の構成です。核家族、三世代同居、またシングルペアレント、血縁のない人が同居している場合もあるかもしれません。ジェノグラムの全体の形状から意味合いを把握していきます。

特徴的なジェノグラムの形状

ジェノグラム全体をひと目見て気づくような特徴とは、例えば、離婚、再婚の回数がとても多い場合です。また、女性が全員未婚の場合なども考えられます。形状の特殊性は、その家族の中の価値観や信条の反映と考えられます。例えば、上記の例では、家族の結婚に対する考え方が反映されているのではないかと考えられます。

兄弟姉妹構成

生まれた順序

一般的に一番上の子どもは責任感が強く面倒見がよく、末っ子は天真爛漫でのんきに育つ傾向があるとされます。また、長子は自分は特別だという意識を持ちやすく、家族生活がうまくいくことに貢献しようし、同時に、両親の愛情を奪った弟や妹に強い不満を持つ傾向が強いといわれます。一人っ子や中間子は、長子と末っ子の両方の特徴を持ちますが、一人っ子は両親の注目を集めがちなので、長子の特徴の方が強くなると言われています。

生まれた順序は、結婚生活にも影響を与えるとする専門家もいます。長子と長子、末っ子と末っ子など、生まれた順序の同じ男女が結婚すると、ぶつかりやすい傾向があるといいます。反対に、例えば長子と末っ子が結婚した場合には、「しっかり者で面倒見のよい」長子と「天真爛漫でのんき」な末っ子が補完的関係を形成しやすいわけです。

性別

仮説としては、兄弟だけ、または姉妹のみ、の構成だと、異性との接し方が不慣れなまま成長し、きょうだいに男も女もいる場合には、異性のきょうだいが将来出会う異性の「見本」の役目を果たすため、接し方を体得しやすいと考えられます。よって兄弟しかいない男性と姉妹のみの女性が結婚した場合には、互いを理解するために、より多くの努力が必要になるようです。

年齢差

きょうだい間の年齢差が大きいと、共通経験を持つ機会が少なくなります。よって、歳の差が大きいきょうだいよりも差の小さいきょうだいの方が関係が近いと考えられます(必ずしも仲が良いとは限りません)。また、6歳以上離れている場合は、むしろ一人っ子としての要素の方が強いと考えられます。

他の要因

兄弟姉妹構成について書いてきましたが、もちろん、文字通りの特徴が当てはまるケースばかりではありません。なぜなら、いろいろな他の要因も影響するからです。例えば、誕生した時の家族の状況や、子どもに何を期待する両親であるか、両親が男児と女児に対して特有の期待を持っている場合、などです。

この最後の点については興味深い研究が1977年にされています。米国のビジネス界で非常に成功を収めた25人の女性を調べたところ、男のきょうだいがいる人は皆無だったそうです。つまり、25人全員が女姉妹のみ、もしくは一人っ子だったわです。

以上に、家族構成ときょうだい構成の解釈について書きました。これはあくまでも解釈のスタートとなる仮説で、実際にはその家族の話を聞きながら仮説を訂正していくことになります。ジェノグラムは豊富な情報を与えてくれるので、ある程度仮説から意味合いを掴んでいく必要があるのです。

引き続き、ライフスタイルと世代間連鎖の視点からのジェノグラムの解釈について書いた記事もありますのでよろしかったらご覧ください。

参考)
Nichols, M. (2011). The essentials of Family Therapy. Pearson.
McGoldrick, M, & Gerson, R. (1985). Genograms in family assessment. New York: Norton. (石川元、渋沢田鶴子訳『ジェノグラムのはなし―家系図と家族療法』東京図書)