認知の歪み ④ 破滅化

破滅化

今回ご紹介する認知の歪みのパターンは「破滅化」です。英語ではCatastrophizing、つまり、ちょっとしたきっかけで「破滅」のような最悪の事態を想定する思考のクセです。例えば、あるプロジェクトで自分の評価が芳しくなかった時に、「上司も同僚も自分のことを嫌ったに違いない」と考え、「次はあまりパッとしないプロジェクトに配属されるだろう」「そしてまた低く評価されて、解雇されるに違いない」と結論づける場合です。今回の評価が思わしくなかったことが、解雇されるという破滅的な最悪の結論に飛躍しています。これは、不安を大きく掻き立てる思考であることは一目瞭然ですね。

不安な時には、この「破壊化」の思考傾向に傾きがちになります。今回の新型コロナウィルス感染拡大の状況下で、体調を崩した方は経験されたかもしれません。「なんか熱っぽい」とか「咳がでる」といった通常なら気にも留めないくらいの小さな症状から、「もしかしたら新型コロナに感染したかも」「今の状況だと検査までかなり待たされる」「悪化しても家で様子見と言われる」「そのまま息が苦しくなって救急車を読んでも病院をたらい回しにされる」「きっとそのまま苦しんで死んでしまうに違いない」と破滅的な結論へ。。。

改善方法のヒント

認知の歪みというのは、個人個人の特性の場合がありますが、状況次第という性格もあります。つまり、誰でもストレスがかかった状態だと、思考が偏りがちになるのです。対処方法のヒントとしては、予め自分の思考のクセを把握しておくこと、そしてその対策を立てておくことです(自動再生の自己否定メッセージに対抗するメッセージを予め用意するなど)。また、弱音を吐ける友人を持っておくことも力強い解決策です。「この前のプロジェクト、いまひとつで。解雇されるんじゃないかと心配なんだ」と話せば、「それは考えすぎだよ」と指摘してくれると思います。正確な情報を入手することも大切です。新型コロナウィルスについては、まだわからないことは多いですが、わかってきていることも増えています。

私たちは、考え方一つで問題を作り出したり解決したりと、脳内で大忙しな状態に陥ることがあります。不合理な思考には合理的思考で対処することも一つですが、思考が頭の中で煩いと感じたら、マインドフル瞑想をすることもおすすめです。頭の中が静まって、心身の緊張がほどけます。