認知行動療法

認知の歪み ② 批判的な独り言

不安の原因にもなる認知の歪み、そのパターンについて引き続きご紹介します。

自分に批判的な独り言

「やっぱり私ってだめだな」「私はいつも肝心な時にミスをする」「何度試してもやっぱり最後は諦めるのが自分のパターンだ」等々、頭の中で自動的に繰り返す、自分に対して否定的な独り言のことです。「やっぱり私は○○」と自分を批判する自動再生のメッセージは、自信を奪い、不安な気持ちを増幅させます。頭の中で自分を批判するメッセージが流れているのに気づいたら、「自分はできる限りやってきたのだ」という側面に思いを寄せ、自分を認めるメッセージに置き換えてみてください。例えば、何かに失敗した時に「やっぱり私はだめだな」というメッセージを遮って、「今回はうまくいかなかったけれど、私はリスクとって挑戦した」「今回の挑戦で学びがあった」というように。本当に疲れている時は、自分に肯定的なメッセージを考えて、慣れ親しんだ否定的メッセージを遮ることも億劫になるかもしれません。そんな時は、まず否定的なメッセージを疑うことでメッセージの影響力を遮断しましょう。例えば、自己否定の自動再生メッセージによって「私っていつもこうだ」と思わされている自分に気づいたら、すかさず、「ちょっと待て、それって本当?」というように。これだけでも随分気持ちが違ってくると思います。否定的メッセージを「再生停止」するために、「ちょっと待て、それは本当か?」というメッセージを事前に準備しておくわけです。何度か心の中で練習してみるのもよいかもしれません。

お気づきのように、前回の「過剰な一般化」でも今回の「自己否定の自動再生メッセージ」でも、まず自分が何を考えているかに意識的になることが大切になります。自分の思考を観察する思考とでもいいましょうか。これはメタ認知といったり、心理学ではobserving ego(観察する自我)と呼んだりします。自分の思考や感情を見つめる視点を持つことは、それらから距離を置くことにもなり、それ自体が心を鎮める働きをします。これはマインドフルネスにもつながります。

今、皆さんは何を感じ、何を考えていますか?