ここ数日、時間を見つけては明日の研修に向けて準備をしていました。準備といっても、基本的には過去に読んだ本の再読です。
心理学の理論にも変遷があり、代表的な心理学者が何人もいます。その中にその道で名を成した後で、大きく方向転換をしたコフートという人がいるのですが、その人の理論を読むたびに、すごいなと思います。理論そのものもそうですが、大きく方向転換したその意思の強さというか、自分の学術的探究心への正直さを読んでいて感じるように思います。周囲に起きたであろう軋轢を思うと、少しドキドキまでしたり。
私は以前は経済学を専攻していましたが、経済学でもそういう人物がいました。ジョン・ヒックス卿といいます。それまで新古典派経済学派をリードしていたのですが、ある時期から「あれは間違っていました」とばかりに、驚く周囲を尻目に方向転換しました。
その道で大成しつつも慢心せず、常に自分を批判的に見ているもう一人の自分がいるのでしょうか。それにしても、自分が築き上げ社会的に認知されたものを(ある意味)否定するのは並大抵のことではないと思うのですが、本人にとっては当然のこと、自然な流れなのかもしれません。
なんのオチもない文章ですが、こんなことを思いながら復習していました。明日の研修がとても楽しみです。