心理学を勉強するために米国に留学した際に、まず住居探しという大仕事が待っていました。といっても、日本人の私でも、外国人ということで住居探しで困難に遭遇することはありませんでした。日本と米国での物件探し事情の違いについて書きました。
不動産屋を介在させない
まず驚いたのは、アパートメントの一室を借りる程度であれば不動産業者は介在しないことです。家主と借り手が直接に交渉します。具体的には、craigslistというオンラインの「売ります、書います」的サイト上で「アパートメント」という項目を検索すると、賃貸情報の一覧を見ることができます。そして、目星をつけた物件の「オープンハウス」に行って内覧をし、気に入ったらその場で家主にクレジット・ヒストリーを提示して、申し込みをします(クレジット・ヒストリーについては後述)。そして後日、家主から選考結果の連絡がくるという仕組みです。仲介手数料がいらず、合理的だと思いました。
ちなみに、craigslistは都市ごとにあり、私が活用したのはcraigslist SFです。物件情報だけでなく、ありとあらゆるモノやサービスの情報が載っています。 craigslist tokyoもあるようですね。
保証人が不要
さらに、保証人を立てる必要がありません。米国では、クレジット・ヒストリーという書類があって、それを家主に見せることで、家主はその人の支払い能力を判断することができます。クレジット・ヒストリーというのは、その人の過去の支払い履歴です。実は、私はクレジット・ヒストリーがないので、出国前にドル口座の残高証明書を銀行に発行してもらいました。幸い、その書類がクレジット・ヒストリーと同等の機能を果たし、問題なく交渉することができました。
礼金、敷金が不要
加えて、礼金、敷金という慣行がありません。日本でも礼金は限られた地域の不合理な慣習と認識されていると思いますが。米国では、不動産屋への手数料だけでなく、礼金敷金も不要で、初月の家賃分の現金があれば契約が可能になります。ですので、費用面での負担は日本とは比較にならない程小さくて済むわけです。
まとめ
日本では、物件契約の際に、保証人が必要な場合が大半で、加えて、礼金、敷金、不動産屋への手数料、それに初月分家賃と、契約時に家賃の4ヶ月から5ヶ月分の現金も必要です。対して、米国、もしくは少なくとも私の滞在したカリフォルニア州では、物件契約に保証人が要らず、家主と直接交渉で話はきまり、まとまった額の現金も必要ありません。自分の信用(過去の支払い履歴)と新しい住居の家賃1ヶ月分の現金があれば、物件契約が可能になります。自分さえしっかりとしていれば道は開ける、そんな印象を持ちました。これは、移民の国アメリカならではの商習慣かもしませんが、人の流動性を高めこそすれ阻害することはないものだと思います。その視点から日本事情を振り返ると、一点定住を前提に社会が動いているのかもしれません。